2008年05月23日
生きものの記録
□原題 生きものの記録
□製作年 1955
□製作国 日本
□上映時間 113
□監督 黒澤明
□出演 三船敏郎、志村喬、千秋実、清水将夫
□音声
□フォーマット
□カラー モノクロ
□言語 日本語
(CS/ch707)
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三船敏郎と志村喬コンビの黒澤作品がまだあったんですねー。この映画は「八月のラプソディ」にもつながっていくんじゃないかと思います。
黒澤明の作品は結構、3つか4つの流れがあって、ひとつは「まあだだよ」みたいなほのぼの系、それから「椿三十郎」みたいなチャンバラ時代劇系、「わが青春に悔いはなし」「どん底」などドストエフスキーのようなずっしり系、そして、この作品のように戦争とか原爆に関する日本からのメッセージ・・という感じがするのです。
この作品は水爆が日本を滅ぼすという妄想にとりつかれた社長でもある一家の大黒柱の老人が、家も土地も売り払ってブラジルに移民して、家族を水爆から守ろう,,と計画を立てる..という話なのですが、前半より後半の方が興味深くみました。
前半は、独りの老人のわがままで身勝手な行動..という感じでとれるのですが、後半は明らかに狂気じみていて、核兵器の登場とその現実によって精神がおかしくなってしまった人間の悲劇を描いている。
実は、前に宮内勝典氏の「善悪の彼岸」という本の中で、実際にこういう精神を病んだ人の話がのっていた。その人はずっとベッドの上で座禅をしていて、自分が少しでもその姿勢を崩したら、世界が滅びる..と思っているという。
この映画をみて、その話を思い出した。こんな恐ろしい兵器と隣り合わせで生きている我々の方が狂っているんじゃないか..という病院の人の話も精鋭された台詞だと思った。「八月のラプソディ」より強烈で印象深い作品でタルコフスキーの「サクリファイス」や「ノスタルジア」を確かに思い起こさせるような感じがしました。
投稿者 nao : 00:00 | トラックバック (0) □002.日本映画□