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あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ 数字

計13本
(○は邦画@はアニメ)
A.I.
永遠と一日
○四月物語
エヴァとステファンと素敵な家族
es(エス)
悦楽共犯者
○絵の中の僕の村
M(エム)
エル・スール
エレニの旅
エレファント
@遠近法の箱
○炎上
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A.I. A.I. Artificial Intelligence
■監督:スティーブン・スピルバーグ
■出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ
2001年 アメリカ映画 101分 カラー ★★★ ◇人工知能に「愛」をインプットした子供のロボットを育てようとする夫婦。しかしロボットと人間のすれ違いがお互いに苦悩をもたらす。本当の人間の子供になりたい、そうすればママに愛される..愛情を求めるロボットの悲しみ。未来版ピノキオ。CGの映像技術も完璧だが主演のハーレイ君の演技もほぼ完璧〜。

永遠と一日 MIA AIWNIOTHTA KAI MIA MERA
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:ブルーノ・ガンツ、イザベル・ルノー
1998年 ギリシア・フランス・イタリア映画 134分 カラー (CS/ch312)
★★★★☆
傑作〜〜!なのに毎回途中で寝るんですよね。特に少年が人身売買で、主人公の老作家と古い建物の中で再会する場面あたりで、沈没。でも、このシーンがどうしても忘れられずに残像が残っているのですが、今までどの映画のシーンだったか思い出せない。。やっと、わかりました、「永遠と一日」のシーンだったということが。それほどに私はこの映画を何回も途中まで観ては沈没したようです(恥)。
不治の病に犯されて余命幾日と感じている老作家と、難民の少年との出会い。この老作家には妻と娘がいたようでしたが、妻はすでに亡くなり、娘は嫁いでいるのですが、嫁ぎ先とこの老作家とはもうひとつしっくりしていない。非常に孤独といっていいこの作家は病院に行く前に一日だけ難民の少年と過ごす。そして若かりし日に夏の海辺のパーティにいる妻や自分の少年時代など、何度も何度もフラッシュバックを起こしながら、場面はものすごい重たい雰囲気で進んでいきます。特に少年と一緒に乗ったバスのシーンなどは、よくわからないまま..でもすごく不思議な雰囲気がありました。
人は死ぬ前になると、何度も過去を追うものなのでしょうか。夏の海辺のシーンは、長回しがその場所の空気感が伝わってくるほど素晴らしいシーンでした。主人公が一番生と幸せを感じたひとときだったのでしょうか。(今までにこんな美しい海辺のシーンは観た事がないと思うくらい。しかも今の季節にぴったり。)
もう一度みてみないとまだまだこの映画の真意はつかめていないかもしれませんが、アンゲロプロスの作品らしく何か重厚極める作品のひとつですね。

四月物語 監督:岩井俊二
出演:松たかこ、田辺誠一 1998年 日本映画 65分 カラー
★★★★☆ 四月中になんとか見なくては..と思って借りて来た。北海道から東京の大学に入学することになった、ごく普通の女の子の新しい生活の始まりを、ピアノのソロにのせてふんわりしたスケッチ風に描いた作品。主人公の楡野卯月に松たかこが演じている。いろいろ賛否両論があるようですが、私はすごく好きな作品です。
下宿に引っ越し屋さんが入るシーンから、大学の入学式、自己紹介、新しい友達、サークルの勧誘など、全てが始めて起きる出来事で、どきどき、おどおど..ぎこちない様子がうまく描かれていて、心情がとてもよくわかる。こういうサークルってあったな..とか、学食の雰囲気も、自己紹介の様子も、全部が本当に懐かしい。
何よりも、櫻の花びらが舞う下宿先のシーンや、松たかこが自転車の乗る姿、学内の様子..そういう言葉のない風景が一番ジ〜ンとくるかもしれない。
彼女には、北海道からわざわざ、東京の大学を受けたのには理由があって、それが唯一物語を構成させているところ。高校時代の回想の部分はちょっと「リリィ・シュシュのすべて」を想起させるようなシーンがあって、思わず「ウ・・」となってしまいそうになった(^^; やっぱり、それほど「リリィ・シュシュのすべて」は強烈な印象だったんだな〜と思う。しばらくピアノのソロのメロディも聴けないくらいだったけれど、この映画で、松たかこのキャラクターに随分救われた。なんだか正常な感覚が戻りました。
BGMで入るピアノのメロディは松たかこが実際に演奏しているらしい。そういえば、パナホームのCMも松たかこのピアノでした。あれも岩井監督の演出したCMだそうです。
ラストの雨のシーンが一番好きです。雨の中でお互いしゃべる声もよく聞こえなくて、大声で話しているところとか、大学の先生が傘をさして横断歩道を渡っていくシーンとか、最後の最後、雨垂れをスローモーションで撮ったシーンは、さすが..と感心しました。ピアノって雨によく合うな〜・・と。
ただ、「私が、東京の大学を受けた理由は...」はあまりはっきり言わなくても...と思った。ひとつひとつのシーンをつなげるだけで充分伝わってきた演出でした。
劇中の「生きていた信長」という時代劇は、落語研究会に入っていた岩井監督らしいジョークで、それなりに楽しめて、監督のユニークな?人柄を思わる。「花とアリス」を観たばかりだけれど、次回作..やっぱりすごく楽しみです。(04.04.24)

es(エス)
DAS EXPERIMENT
監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル
出演:モーリッツ・ブライプトロイ 、クリスティアン・ベッケル
2001年 ドイツ映画 119分 カラー (CS)
★★★
アメリカのオックスフォード大学で行われた実験をもとにつくられた作品。応募によって男性を募り、選ばれた人の中から模擬刑務所をつくり、看守と囚人に別れて生活するというもの。そこでそれぞれの人間性が看守なら看守、囚人なら囚人という役割にいかに適合していくか・・・という実験。これがそれぞれの立場での仲間同士の協調から看守と囚人の覇権争いに変わり、やがて独裁者が現れ、最初に決められたルール(絶対に暴力をいふるわないなど)をどんどん逸脱していくという、実に恐ろしい内容でした。パニック映画、あるいはサスペンス映画の部類に入るでしょう。しかし、実際に看守が囚人を裸にしたりすることは、先日のイラクの捕虜でもあった事件なので、一概にこの作品は妄想や空想ばかりだとはいっていられない。本当にある話だと思って良いのだろう。しかも、この作品はイラクの事件が起きる前に公開されているし、ある意味では予知した映画でもあるのです。そこがすごいところですね。アメリカでは未だに未公開なのだそうです。
ただ、ナチスの強制収容所もこの「看守」と「囚人」の関係が成り立ち、人間は誰でも、その状況下、あるいは環境におかれると、こうなるんだよ・・・・という言い訳にはしてほしくないなあ・・と思いました。しかし、誰にでもこうなる可能性があるという意味では、一見の価値ある映画かもしれません・・・ただ、二度は観たくない映画です・・・。(05.10.04)

エヴァとステファンと素敵な家族
Tillsammans
監督・脚本:ルーカス・ムーディソン
出演:リーサ・リンドグレン、ミカエル・ニュークヴィスト
2000年 スウェーデン映画 106分 カラー
★★
スウエーデンの映画でしょ?この題名でしょ?映画のチラシも読んで「長靴下のピッピ」の再来か...と喜んで見に行ったわけです..。でも、生理的に受け付けられない映画だったな〜、個人的には。なんかエヴァとステファン以外の大人の登場人物がみんな不潔なんだもの。。
舞台は、70年代の若者に広がったフラワームーブメント。コミューンとかフリーセックス、男女平等、同性愛がはやった時代。
ごく普通の家庭に育ったエヴァとステファンはある日、パパとママの大げんかから、ママに連れられて家を出る。ママが頼った先は自分の弟が運営しているコミューン「Togeher」。この家では、本当に個性的な住人が一緒になって住んでいたのでした。
女だけど女も男も好きなアンナ、政治の集まりに行こう!と誘うエリック、フリーラブをモットーとするレナ。何家族もが一緒に住んでいるのです。そしてお肉も食べられない、テレビもない、クリスマスのプレゼントもない・・。まあ、それはいいとして..
フリーセックスをモットーにしているレナにいたっては、私は嫌悪感しか湧いてこなかった。ひとつ屋根の下で、自分の恋人と一緒に住みながら、次々と若い男を誘惑して、寝てしまう。セックス中の奇声が家じゅうに響き渡っている・・・;;彼女の恋人はこのコミューンの主でママの弟である叔父さん。でも、何もかも一緒くたに考えている彼は、ひたすら、彼女の言動に我慢するのです。
彼はオートミールをこねまわしながら 「最初は一粒一粒離れているものでも、こうやってこね回せば、繋がってくるんだ、一人じゃないんだよ。みんなと一緒なんだ」と..
ううう..それはちょっと〜〜、違うんでは..と思ったけれど、やっぱり、彼は遂に堪忍袋の尾が切れて、レナをコミューンの外へ捨ててしまう。 「私はお母さんのような平凡な主婦には絶対なりたくないのよ」と言っていたレナは、コミューンから追放されて、泣きながら電話をする先は自分の母親なのでした。
アンナに到っても同じような結末。彼女は夫と子供と一緒にこのコミューンで暮らしていたのですが、旦那の愛情に関心を示さない。むしろ、「男」を軽蔑していて、女性優位の考え方をしている。なんとなくレズビアンを気取っていた彼女でしたが、最後は夫が同性愛に目覚めてしまって、腰を抜かさんばかりに驚く・・。
一方、家に残されたパパは、知人の年輩の男性との交流の中で、家族の大切さ、一人で生きて行くことの孤独など..教えられる。そして、勇気を出して、子供達と妻を迎えに行くのでした。
最後は、まあ、ハッピーエンドですが...エヴァとステファンがどのように成長したのか..あまり見えてこない。けれど、このフリーラブとかコミューンとかフェミニストとか..自分を形式的には解放することが、本当の解放になるのか..コミューンとは..家族とは?この映画はむしろ「コミューンの崩壊」を描いているのでは?かえって逆からいろいろ考えさせられる映画でもありました。(04.04.07)

悦楽共犯者
CONSPIRATORS OF PLEASURE
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ペトル・メイセル、ガブリエラ・ヴィルヘルモヴァー
1996年 チェコ・イギリス・スイス映画 89分 カラー (CS/ch260)
★★★☆
去年の11月に鎌倉の葉山にある現代美術館で「シュヴァンクマイエル展」に行ってきたのですよね。なんかずっと遠い昔のように思えるけど、美術館もきれいだったし、シュヴァンクマイエルの実作品を見れて良かった。やはり、かなり細かいマニアックな仕事をする人だと思った。。
この作品、グロい、エロいを通り越して、最後は大笑い(^o^)。エロティック路線なのかと思ったらブラック・コメディだった。変態くん、変態さんの人知れぬ変態趣味というか..ここまで真面目に変なことをしているのを見ると、逆に笑うしかないというかこういう笑いってあるんですね。
台詞がほとんどなくて目と目で語り合うというその不気味さとねちっこさ。最初の方は、観ながら、何度も気絶(居眠りのこと)してしまった。その度に巻き戻しして観てました。登場人物はほとんどニコリとも笑わない。むしろ、恐怖とか不安とか、ものすごく真面目くさった顔をしながら、めっちゃ馬鹿げたことを真剣にのめり込んでやっている。なんか笑いのツボに入ってしまう。
シュヴァンクマイエルって生理的に動物的というか、人間の清潔さがない作品をつくる人だから、最初に合わないとアウトかも。猫や犬とか不潔で触れない..という人はダメかもしれない。その辺をクリアーできたら、きっと楽しめると思う(^^)。
それにしても、登場人物は羽を一枚一枚つけたり、パンをちぎって細かく丸めたり、なんと細かい作業の多いこと。
同じブラックな人形アニメーションをつくるクエイ兄弟の方が、多分、シュヴァンクマイエルより正道というか「まとも」です。でもシュヴァンクマイエルのユーモア、普通の人には描けない面白さがありますね。(06.12.06)

絵の中のぼくの村
監督:東陽一
出演:原田美枝子、長塚京三、松山慶吾、松山翔吾
1996年 日本映画 112分 カラー
★★★★
子供の頃、「ちからたろう」とか、学校の図書館で見たあの絵本は、すごくなじみ深い好きな絵だった。この映画はあの「ちからたろう」の 絵本作家・田島 征三さんの書いた自伝的な小説でふたごの兄にあたる田島征彦さんと一緒に一時期過ごした高知の田舎での少年時代を詩情豊かに、しかもファンタジックに描いた美しい作品です。
高知の小川や森の自然が、緑は鮮やかで、水は透明..という美しさ。毎日のように川に釣りをしに行く双児の兄弟。そんな自然や生き物との触れ合いが、ものすごく大きなインスピレーションを与えながら絵をどんどん描いていく二人。子供の頃からもうすでにその非凡な才能は、あらわれていたのですね、いやはや、すごい。
田島兄弟に本当の双児の男の子が演じているのですが、この子達が本当に、ひよっこくて..華奢で可愛い。いつもお揃いの帽子、洋服を着て、時にキイキイ喧嘩して大泣きしたり、裸んぼだったり、二人の掛け合いの独特な面白さは、とても演技とは思えない自然さがあり、すごく良かった。
小学校の教師をしているお母さん役に原田三枝子。この作品の中でも、ひときわ輝いてすごい存在感がありました。
それから、クラスの友達の女の子や、不良呼ばわりされて学校にこなくなる転校生..。今の時代とたいして変わらないけれど、なんだか、この時代の子供達ってたくましい..という気がしました。
原作にはなかったという村の守護神、三人のばあさんや、森からひょこっと顔を出す妖怪なども、ファンタジックで楽しさを倍増している。そして、この映画に使われたカテリーナ古楽合奏団の音楽もより一層、映画の雰囲気をひきたてて良かったです。 見終わったあと、絵を描きたくなってくる・・なんか不思議なパワーを一時的にもらったような..映画でした。(04.07.06)

M(エム)
M - EINE STADT SUCHT EINEN MORDER
監督:フリッツ・ラング
出演:ピーター・ローレ、オットー・ベルニッケ
1931年 ドイツ映画 99分 白黒 (レンタルDVD)
★★★★
フリッツ・ラングの始めてのトーキーの映画でサスペンス映画の原型ともいえるべき作品。次々とおこる幼女連続殺人事件に警察は懸命の捜査をするが手がかりがない。そのうち暗黒街にも警察は入り込んで捜査をし始めるが、これに困ったのは暗黒街の住人。自分たちも総出で犯人を捕まえようと町中の浮浪者なども使って見張りにあたらせる。そこで手がかりとなったのは、犯人がいつも吹く口笛のメロディ。そのメロディを覚えていた盲目のおじいさんと暗黒街の住人達の協力で犯人は肩に「M」(MORDER・殺人者という意味)というマークをつけられ追われて、ついに街のビルへ追いつめられる・・・・
もっと、猟奇的なシーンとかが出てくるのかと、ついつい、現代のそういった映画に見慣れている私は覚悟して観ていたのですが、そういうシーンは全く出てきませんでした。ただ殺人が行われたという象徴のようなもの(電線にひっかかった風船とか)は出てくるのですが、そういったものが雰囲気を盛り上げていきます。 最終的には、捕まった犯人が暗黒街の住人たちに裁かれる...という泥棒が殺人者を裁くというおかしな設定なのですが、そこで赤裸裸に語られる殺人を犯すまでの犯罪者の心理・・・。これは怖かったですね。目がギョロリとしたいかにも変質者らしい雰囲気のピーラー・ローレははまり役でした。実はこのあとに同じくドイツ映画「es(エス)」というのも観たのですが、同じようなことが描かれてはいるんじゃないかと思います。(もちろん後者の作品の方が表現が露骨ですが(^^;)
ラストに警察が踏み込んできて「手をあげろ!」というのに殺人犯ではなく、裁いていた(暗黒街の住人)方が全員、手を上げるシーンは面白かったですね。泥棒や強盗や売春をしていても生活の為、人情は忘れていないよ・・という暗黒街の住人たちの犯人を捕まえるまでの連携プレーは下町的な人情と鈍臭さがあって良かったです。
ラングらしいスマートで知的な作品です。(05.10.03)

エル・スール
EL SUR
■監督:ヴィクトル・エリセ
■出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングレーン
1983年 スペイン映画 95分 カラー
★★★★★

エレニの旅 THE WEEPING MEADOW - ELENI
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:アレクサンドラ・アイディニ、ニコス・プルサニディス
2004年 ギリシャ・フランス・イタリア・ドイツ合作、ギリシャ映画 170分 カラー (静岡サールナートホール)
★★★★★
昨日、サールナートホールへ見に行ってきました。前日に「旅芸人の記録」をDVDにて鑑賞したのですが、先に「エレニの旅」から書いておこう。それにしても、東京の方は連日、満席らしいのですが、静岡は10人くらいの観客しかいなかった。けれど、パンフレットは前日に売り切れてしまったという・・(TT)
今回も、すばらしいスケールの大きい撮影シーンがたくさんありました。いかだに乗ってお葬式をする場面や、白いシーツの丘の場面、また、最初の村全体が出てくるシーンなどは感動的なほどの美しさ。そして、劇場に住む住人達というアイデア。音楽人が集まる廃墟のようなビル。ストーリーは、これから見る人の為にかかないでおきます。ただ、まさに神話的な雰囲気の人間ドラマでスケールが大きいです。エレニは、まさに母なる女神のような存在。ラストの号泣シーンは、人間というより、女神の化身が泣いているように私には見えました。
パンフレットがないので詳しいことなどわからないのですが、アンゲロプロスは、この撮影の為に村をひとつつくったらしい。そこは冬になると湖になって埋没する土地で、本当に、物語でも村がひとつ、水没してしまうのです。どうやって撮影したのか不思議でしたが、なるほどと思いました。
この映画は3部作の第一部らしい。ラストの終わり方も「続く・・」という感じの終わり方。今のところ「旅芸人の記録」の方が完成度が高いように思うけれど、もし、3部作が出来上がったら、きっと「旅芸人〜」を上回るスケールの大きな作品が出来上がると思う。期待大です。(05.05.24)

エレファント
ELEPHANT
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロイト
2003年 アメリカ映画 81分 カラー (レンタルDVD)
★★☆
う〜む、これがパルムドールかーと思ってしまった。1999年にアメリカの高校で起きた生徒により銃乱射事件を描いた作品。描く..といっても、心理を描いたわけでなく、事件が起きた一日をドキュメンタリー風に追った・・という感じの映画。校内を歩くごく普通の高校生の後ろ姿をカメラが追っている。しかしゲームで、歩く人間の後ろ姿を標的に撃ち殺す..というゲームをなぞらえていて恐ろしい。カメラでこんな風に撮る必要があったのだろうか??金髪の主役らしい少年は主役というより脇役で、事件の犯人の少年は全く別の二人。この二人には男色みたいな感じと犯人の少年の家のあまりにもクリエイティブな雰囲気とか、学校の芝生とか黄色いシャツをきた金髪の少年の存在とかが、いかにもアメリカのポップアートの世界だと思った。
それと、「エリーゼの為に」。この曲を挿入するのは偶然、犯人役の少年が休憩時間にピアノに向かって弾きだしたので、監督はすぐそれを使おうと思ったらしい。まるで岩井俊二の「リリィ・シュシュのすべて」のドビュッシーと同じようなニュアンスを持つ。偶然だと思うけれど、こういう犯罪のちょっと気が変になりそうな神経症的な感じは10代の犯罪の共通するところなのかな・・。しかし、あまりにも表面的なものしかとらえていない映画で、美しい映画であることには違いないけれど、私にとってはいまいち不満の残る映画でした。(05.12.22)

遠近法の箱
監督:山村浩二
1990年 日本映画 4分 アニメーション(CS/ch312)
★★★☆
面白い。観ていてあきない。副題は「博士のさがしもの」。雑踏とした都市の中で望遠鏡と網を持って何かを探す博士。手前のものがはっきり見えたり遠くのものがかすんで見えたり、空がはっきり見えたり、ビルが霞んで見えたりとその遠近法の表現が面白い。多分、何重にもセル画を重ねているんでしょうね。そのうえ、奇妙なわけのわからないキャラや人々。不思議な不思議な空間が楽しめる、まさにからくり箱。もうちょっと長いといいのにな。(06.08.30)

炎上
監督:市川崑
出演:市川雷蔵、仲代達矢、二世中村鴈治郎
1958年 日本映画 69分 白黒 (静岡サールナートホール)
★★★★★
最初の方は、「切られ与三郎」に比べて、白黒だし、地味だし、誰が市川雷蔵なのかわからないくらいノーメイクで、地味な役所だったのでうとうとしてしまいました。映画界に入って5年目、始めての現代劇だったそうです。しかし映画が進むにつれ引き込まれた。
原作は三島由紀夫の「金閣寺」。金閣寺は「驟閣寺(しゅうかくじ)」という名前ででてくるのですが、お寺の住職をしていた父をもつ吃りで屈折した地味な青年役を市川雷蔵が実に繊細な演技で見せてくれました。
住職だった父を肺がんで無くした伍市は父が「世界で一番美しいのは驟閣だ」というのを口癖に言っていたのを聞きながらその言葉を胸に育ち、父が亡くなったあとも、驟閣の住職をしていた父の親友の子弟になって住み込み、毎日、驟閣を眺めながら暮らし始めた。しかし、その頃、日本は戦争に破れて世の中は一変、純粋な青年の心は真に美しいものを求めて、驟閣に火を放つ・・・
伍市の親友に仲代達矢が脚の悪い青年の役で出ているのですが、もう、本当にいや〜な感じの男でした(笑)この青年に比べたら、市川雷蔵の伍市のなんとも清純なこと。それにしても、この時代の若者って今の若者より屈折していて複雑なんじゃないかと思った。現代の若者の方が単純じゃなかろうか??世の中に擦れているといった方が良いのか・・それともいつの時代も変わらないものなのか・・・
しかし、市川雷蔵が演じた伍市という人間は「ああああ、あの・・」と舌をかみそうなくらいのひどい吃りで、ぱっとしない人物にもかかわらず、この存在感、人を引きつける魅力は素晴らしい。なんかうまく言葉にできないですが、先にみた「切られ与三郎」よりも印象に残りました。この役で市川雷蔵は数々の賞を取得したというのも納得の作品です。(05.07.16)

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