超私的映画感想日誌アーカイブス
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  数字



 (○は邦画@はアニメ)
 計6本
 ロスト・チルドレン
 ロスト・イン・トランスレーション
 ロゼッタ
 ロード・オブ・ザ・リング
@ロボッツ
 ローラーとバイオリン

ロスト・イン・トランスレーション
監督: ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレー、スカーレット・ヨハンソン
2003年 アメリカ映画 102分 カラー (レンタルDVD)
★★★★
 前作「ヴァージン・スーサイズ」もなかなか印象的な映画だった。監督のソフィア・コッポラはフランシス・コッポラの娘。この映画はヴィム・ヴェンダースの「東京画」に雰囲気もそっくりの映画。フランシス・コッポラとヴィム・ヴェンダースは親交があったらしいので、やはりヴェンダースへのオマージュという意味合いもあるようです。しかも父親ほど年の離れた中年の映画スターと、ごく普通の新婚の女性の日本という異国でのつかの間の交流と別れ。ヴェンダースの「都会のアリス」が「ロリコン」としたら、この作品に「ファザコン」を感じるのは私だけでしょうか?
 とにかくヴェンダースの「東京画」とは切ってもきれない映画でしょう。外国人から見た日本って、こんな感じなのか〜〜と改めてちょっと恥ずかしくなってしまうような場面もありますが、私も以前、新宿のホテルに泊まった時のことを思い出して、ビルが立ち並ぶ都会に喧噪と孤独と好奇心を感じたことを思い出しました。
 CM撮影に日本に来ていた映画スターと夫の仕事で一緒に日本にやってきた大学を出たばかりの新妻が宿泊先のホテルで顔見知りになる。次第に距離感がなくなってきた二人は日本にある種の奇妙さを覚えつつもそれなりにこの国の文化を楽しんで、お互いの虚無感を埋めていく・・・そして、東京の雑踏の中での別れの抱擁・・・魂と魂がふれあったというような清潔な関係のクライマックスが大変良かったです。このあたりは「都会のアリス」にも通じるような気がしました。
 スカーレット・ヨハンソンの個性的な表情やちょっとハスキーな声も印象的でした。(05.06.27)




ロスト・チルドレン
LA CITE DES ENFANTS PERDUS

■監督:ジャン・ピエール・ジュネ
■出演:ロン・パールマン 、ジュディット・ビッテ
1995年 フランス・スペイン映画 112分 カラー
★★★★
◇「アメリ」の監督ジュネがつくったマニアックなSFファンタジー。近未来の世界で子供を誘拐して夢を盗もうとするクローン人間達に弟を誘拐された頭がちょっと弱い怪力男ワンと窃盗団の少女ミエットの「不思議の国アリス」を思わせるような冒険。ミエットの聡明な美しさと「風が吹けば桶屋がもうかる」式の凝りに凝った映像が見物。




ロゼッタ
Rosetta
監督:リュック&ジャン=ピエール・タルデンヌ
出演:エミリー・デュケンヌ、ファブリツイオ・ロンギオーネ
1999年 フランス・ベルギー合作映画 94分 カラー (CS)
★★★★
 「ある子供」のタルデンヌ兄弟の作品で1999年のカンヌ国際映画祭パルムドール賞受賞の最初の作品。この作品も「ある子供」と撮影手法が全く変わらなくて「ロゼッタ」という一人の少女を手持ちカメラで至近距離から撮影。実際息づかいまで聞こえてくるほど。そして「ある子供」とは全く反対といっていいような若者像を描いている。
 最初はいきなりロゼッタが働いていた工場から解雇を言い渡され、大暴れするシーン。つまりは仕事がないので彼女はそのサバイバルの中で生きている。なんとか仕事にありつきたい・・・しかし仕事がないという状況。日本なら高校生でもコンビニのアルバイトくらいあるものだと思うけれど、この国(ベルギー?)では一人一人が仕事にありつくのに精一杯。しかも彼女にはアル中の母親がおり、(父親は出てこない)キャンプ場で車の中で生活しているという浮浪者にも似たような境遇。母親は働こうとせず、男をしゅっちゅう連れ込む。そんな母親を彼女は叱り、病院に連れて行こうとするが途中で逃げられる。まるで親子の立場が逆。
 ロゼッタはしかし「真っ当な生活がしたいから仕事がしたい」という考え方を持てるというのは素晴らしい人間性だと思う。例えば日本ならお金欲しさにすぐ売春に走るような女子学生もいると思うが、彼女はあくまでも「まっとうな仕事」にこだわる。けして堕落の道を安易にとらないところが、何か気丈でいて健気なのだ。
 そんな彼女をみかねて男友達が仕事を斡旋しようとするが、彼女は仕事欲しさに思わぬ卑劣な手段で彼を裏切る・・しかしラストは人と人が支え合うような救いを感じた。それは「ある子供」と同じ終わり方かも。しかしこれはあくまでも想像で彼女がその後どうなったかは映画ではわからない。
 ロゼッタを演じたエミリー・デュケンヌは主演女賞を受賞したそうです。そういえば、「誰も知らない」の柳楽くんの受賞もカンヌだったっけ。確かに何かこの二つの作品は共通性のあるテーマと演技だったかもしれない。けど、この手法の作品をあと1本も観たら、さすがにあきてしまう感じもするなー。とはいえ一見の価値はある映画ですね。(06.05.09)




ロード・オブ・ザ・リング
THE LORD OF THE RINGS
■監督:ピーター・ジャクソン
■声優:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン
2001年 アメリカ映画 178分 カラー
★★★
◇伝説の数奇な指輪を巡って繰り広げられる人間と妖精と小人と魔界の大冒険。イギリス伝承のミステリアスな雰囲気を充分に味わえるファンタジー。




ロボッツ
ROBOTS
監督:クリス・ウェッジ
声優(吹き替え):ユアン.マクレガー(草薙剛)、ハル・ベリー(沢田亜希子)
2005年 アメリカ映画 90分 カラー (清水Movix)
★★★★
 子供と一緒に吹き替え版を見てきました。この映画は 20世紀フォックス映画アニメーション提供ということで、ディズニーとかピクサーとは違うのですが、それでも、この面白さ!アメリカもアニメーション大国ですよね。
 全てCGという言ってみれば、ハイテクの技術を使った映画作品のわりには、内容は、ブリキの古いロボットたちが、ハイテク化を狙う新型ロボットに戦いを挑む・・・という、古き良きものを求めたファミリー向けのサクセス・ストーリーです。ちょっとありがちな内容ではあるのですが、最後まで退屈せず楽しめました。
 やはりCGの技術はすごいですね。本物のブリキのロボットを使っているのかと思うほど、画像もよくできていたし、ロボットひとりひとりに瞼がついていて、目が大きく開いたり、細めたり・・できめ細やかな感情表現できるというのは、さすが・・!
そして、様々なところで手のこんだアイデアと、ロボットひとりひとりのキャラクターもとても豊かです。
 私は何よりも今回の作品の気に入ったところは、ブリキのロボットという、つぎはぎの懐かしいロボットたちが出てくること。これにはノスタルジーを感じさせられ、すっかり和んでしまいました。(^^;;(05.08.25)




ローラーとバイオリン
КАТОК И СКРИПКА / The Steamroller and the Violin
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:イーゴリ・フォムチェンコ、ウラジーミル・ザマンスキー
1960年 ロシア映画 46分 カラー (レンタルビデオ)
★★★★★
 タルコフスキーが映画大学監督科の卒業作品として制作、ニューヨーク国際学生映画コンクール1位に輝いた作品。・・ということは20代でこの作品をつくったってこと?素晴らしい才能です!20代には20代にしかつくれないものがある・・
 この作品はタルコフスキーがフランスのアルベール・ラモリス「赤い風船」に触発されて作ったという映画で、ラモリスの映画を幼い頃に観た記憶を鮮明に覚えている私としては、是非、観てみたかった作品です。
 ・・・とはいえ、単純に「ローラー」という女の子とバイオリンの話し..と勝手にイメージを膨らませていたので、これまた、すごくいい良い意味で裏切られました。(笑)ローラーで舗装工事をしている労働者の青年セルゲイと、7〜8歳のバイオリンを習う裕福そうな家庭の少年サーシャ(友達には「音楽家」と言ってからかわれている)の、年齢や階級や身分を超えた心の通いあいが、さまざまな水や鏡、陽のきらめきなどの映像とともに、感動的といっていいくらい鮮やかに写し出される。
 特に、大雨がやんだあと、少年がセルゲイにバイオリンを弾いて聞かせる場面は、先日、千住真理子さんのバイオリンコンサートを聞きにいったばかりのせいか、その音色の美しさ、また青年の恍惚とした表情に涙がぽろりと出てしまったほどです。
 芸術とは程遠い環境で育ったのであろう青年のバイオリンの音色を聞いた心の感動と少年のやさしさが伝わってきて、とても印象深いシ−ンでした。
 また、マジックのように使われた鏡、水たまりに反射する陽の光り、壊れ行く建物とどしゃぶりの雨など、映像もこんなに工夫されてあるとは思わなかった。素晴らしい小品です。(05.04.07)