超私的映画感想日誌アーカイブス
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  数字



 (○は邦画@はアニメ)
 計7本
月とキャベツ
TUGUMI
ツイゴイネルワイゼン
椿三十郎

 罪と罰
 鶴は翔んでゆく

月とキャベツ
監督:篠原哲雄
出演:山崎まさよし、真田麻垂美
1996年 100分 日本映画 カラー (レンタルDVD)
★★★☆ 
 「夏に見たくなる映画」というので紹介されていたので、借りてきました。スランプ状態で作曲できなくなってしまった売れっ子ミュージシャンのハナビとかげろうのような彼のファンであるヒバナという女の子の一夏の不思議な出来事...。この女の子はダンスをする子なので、白いワンピースを着て彼の音楽に合わせて踊るのですが..夏らしく涼しげではかなくて..で映画のラスト近くにすうーと消えるのにはちょっと鳥肌がたってしまいました。 
 最後まで見終わって思ったことは、山崎まさよしの音楽がぴったり映画にあっていて、もう本当に孤独で孤独で癒されないミュージシャンの心が歌によくあらわれているなあと思いました。(06.06.06)
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TUGUMI
■監督:市川 準
■出演:牧瀬里穂
1990年 日本映画 108分 カラー
★★★★
◇「キッチン」もおもしろかったけれど「つぐみ」の方が、見終わった後も、頭から離れないようなすごいインパクトのある映画だった..牧瀬里穂が演じる「山本つぐみ」は生まれた時から病弱で医者に短命だと宣言されて、周囲もガラスを扱うように育てた為わがままで横柄、自己中心的だが、どこかで病魔に怯えているような感受性の強い少女へと育っていく。
 これが周囲の人間に愛され、振り回し、ものすごい存在感のある人物なのだ..牧瀬里穂のデビュー作ではまり役だった。
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ツイゴイネルワイゼン
監督:鈴木清順
出演:原田芳雄 、大谷直子、藤田敏八、大楠道代
1980年 日本映画 144分 カラー
★★★★★
 年末から年始にかけて、真夜中に観た。こんなに真夜中が似合う映画も少ないかもしれない。鈴木清順の映画は以前に「ピストルオペラ」を観て、結構、映像もあちらこちらに飛んだり、ストーリーもあってないような面白さだったのですが、この「ツィゴイネルワイゼン」はほぼその原形といっていいんだろうと思う。「ピストルオペラ」の方が、やはり現代的、垢抜けた感じがしているけれど、「ツィゴイネルワイゼン」を観た人にとっては二番煎じ..というところかもしれない。
 それにしても鈴木清順の映画は、なんともいえない仏教臭さがあるように思う。三途の河原で幼児の亡者が「一つ積んでは父の為・・・、二つ積んでは母の為・・・」と歌って石を積んでいると鬼がやってきて、積んだ石を蹴散らしてしまう..という御詠歌があるのですが、そういうあの世とこの世のいったりきたりという不思議な雰囲気を持つ映画。なんだかまるで夢を映画にしたような感じである。
 最初のシーンでサラサーテのツィゴイネルワイゼンのレコードが流れてくるのだけれど、そのレコードの音に何か人のつぶやきが入っていたり..と最初から奇怪な雰囲気。そして周子を演じた大楠道代がいわゆるモダンガール、それに対して大谷直子の二役はいかにも古風な女性。実は、この作品を見るまでは、もっと淫らな映画..という印象もあったのですが、全くそういういやらしさのない芸術性の高い作品だったと思う。この作品は海外にも充分通用するんじゃないだろうか?北野作品と比べようもないかもしれなけれど、さらにマニアックな作品..という感じがしました。
 あらすじは、放浪癖のある中砂(原田芳雄)と彼の親友、青地(藤田敏八)が旅先で小稲(大谷直子)と出逢う。そしてその3人に身辺をうろつく、盲目の旅芸人一座の男2人と一人の女の存在が、物語の最初から最後まで、なんとも印象的。一年後に中砂の家に青地が訪ねてみると、小稲にそっくりな園という女と結婚していた。結婚した後も放浪の旅を続けてしょっちゅう家をあける中砂。中砂の留守の間に家を訪ねた青地と園の間に奇妙な関係が出来上がり、さらには青地の妻である周子(大楠道代)と中砂が、闘病中の周子の妹の病院へ見舞いにきて、二人の奇妙な関係を妹に目撃されていることになる。二組の夫婦の奇妙な関係がなんとなくわかるのだけれど、不倫とかなんとか、そういう意味合いの物語ではなくって。。ただただ奇妙でエロティックな関係。やがて中砂と園の間に女の子ができるが園は病死。園の後釜に来たのがあの小稲だった。そして中砂も旅先で変死。・・・・ここから、生きている筈の小稲が、まるで幽霊のような..そして、小稲に育てられている中砂の幼い娘も、まるであの世の死者のような存在になってきて...
 とにかく、あらすじは、あちらこちら、何通りもある..といってもいいくらい一度とりあえず観て,,としかいいようがないかもしれない。鈴木清順は、この映画を「柔軟にした怪談..」と言っているようです。(05.01.16)
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椿三十郎
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、仲代達矢、加山雄三
1962年 日本映画 98分 白黒 (CS)
★★★★
 痛快エンターテイメントな時代劇だけれど、その知恵比べ風な脚本が「古畑任三郎」よりさらに上を行くと思う(笑)。上役の悪徳を告発しようとしていた9人の若侍が年寄りの陰謀にひっかかり窮地に立たされるところを少し年配の浪人が一肌脱いで救おうとする。三船敏郎が演じる浪人の悪知恵が働くといってもいいほどの機敏な判断力と動きは「隠し砦の三悪人」の大将にも通じるものがあり痛快でした。しかも「椿三十郎」の方がユーモアがあり砕けた人物像がとても魅力的。ひよっこのように群れで動く若者達の軟弱さが余計に目立って面白かったし、女性陣の天真爛漫さも引き立って面白かったです。そして「椿」の花の見事な使い方。日本の美しさもプラスされている。ラストの切り合いは「あっ!」という感じで一瞬、息を飲むような迫力でした。「あばよ」も三船さんならではで、サマになってましたね(笑)。「用心棒」の続編とのことですが、実は「用心棒」はまだ未見です。またいつか見てみよう。(06.01.05)
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監督:成瀬巳喜男
出演:上原謙、高峰三枝子
1953年 日本映画 97分 白黒
★★★
 今、BS2で成瀬巳喜男生誕100年記念でメジャーな作品をどんどん放映してくれているので、見れるものはその場で見ています。CSでも6月までやっていたのですが、加入していなかった時の作品はほとんど録画できなかったので、BS2の放映はありがたいです。
それで「乙女こころ三人姉妹」「妻よ薔薇のように」「妻」「放浪記」と見たのですが、「放浪記」は面白かったー。それはまた順番に書くとして「妻」から。
結婚10年の倦怠期に入った夫婦を描いた作品。今CMでも「10年たつとこんなに違うものか・・・」という夫婦ものをやっていたりしますが、まさにその感じ。高峰三枝子が端麗で美しい顔立ちなのに、すっかりオバサン化とした主婦を演じていて、ある意味、強烈な印象。すごくいけすかない、いや〜な雰囲気なんですよね、これが。夫役の上原謙は、そんな女房に気持ちがどんどん離れていく。そして会社で同僚だった美しい未亡人に心がひかれ、会っているうちに気持ちがすっかり傾いてしまった・・・・そして、それを妻に知られてしまう。ショックを受けた妻は強行手段に出る・・・
 こういう話って、50歳になっても60歳になってもあるみたいですね。なんか、年をとればとるほど、結構、しつこくお互いをなじりあうというか・・・美しくないワーと思うのですが、自分がいつかそうならないとは限らないし。でも、この作品の高峰三枝子みたいないやーな感じにはなりたくないから気をつけよう。
 結局、元のサヤに収まる二人ですが、心は完全に離れたまま・・・・。こういう時、別れた方が、お互いがもっとイキイキできるのでは・・・と思ったりもします。客観的に見ると。その方が生きている・・っていう感じがするんじゃないかと。「放浪記」の林芙美子はそんな生き方なんだろうな・・・
 でも、別れたら、奥さんの方が食べていけないことも多かろうと思うので、そうしない人の方が多いのでしょう、この世の中は。妥協とかあきらめとか・・・そういう中でも幸せが見つかるといいのにな。なんか、救いのない終わり方の作品でした。(05.09.09)
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罪と罰
Crime and Punishment
監督:アキ・カウリスマキ
出演:マルック・トイッカ、アイノ・セッポ
1983年 フィンランド映画 93分 カラー
★★★★
 フィンランドの監督アキ・カウリスマキの処女作で、文豪ドストエフスキーの「罪と罰」を舞台をヘルシンキに移してアレンジした作品。アキ・カウリスマキ独特の寡黙で表現を押さえた骨太な雰囲気がしっかり出ていて、やっぱりデビュー当初から個性的な監督さんなんだな..と思った。
 とはいえ、いかんせん、私はドストエフスキーを読んだことないのですよ。。(^_^;;なので、この名作をどのようにアキ監督がアレンジしたのかはよくわからないのです。それでも、この作品を観て、何かとても人間の深い部分で惹き付けられるものを感じました。
 ヘルシンキの精肉工場で働くラヒカイネンは仕事が終わった夕方、一人の男のあとをつけて、彼のアパートの部屋で射殺する。そこへ、一人の若い女・エヴァが偶然に部屋に入ってくるが、この状況を観ても、悲鳴もあげないで警察に連絡、ラヒカイネンには「さっさとここから出ていって・・」と警察が来る前に彼を逃がす。
 警察はやがてラヒカイネンに目をつけるが、なかなか証拠があがらない。一方ラヒカイネンは全く罪の意識がない。このあたりは全く大胆不敵。「死んだっていい男を殺したんだ・・」と。彼を逃がしたエヴァの前に姿を現し、そして自分の罪を見知らぬ男に着せて国外へ逃げようとするが・・
 この映画を観ていても、最初から、「なんで殺したか」とかエヴァとラヒカンネンはもともと何か関係があったのか..とか、何故、彼女はラヒカンネンを逃がそうとするのか..とか、よくわからない。アキ監督独特の演出で、役者さんの表現がものすごくおさえられているし、劇的なことも淡々と話しが進んでいく。世程、敏感にみていないと、わからなくなりそうな感じ。けれど、とぎれとぎれの謎がやがて、どんどん繋がってきて、ラヒカンネンという男の中に潜む人間性に惹き付けられ、魅了されてくる。それこそはおそらくドストエフスキーの「罪と罰」の大きなテーマにふれているんだろう..と思う。
 ヒッチコックはドストエフスキーはけして映画にするな..と言ったそうだ。どこも削り取る台詞がない..というらしい。だからこそあえて「罪と罰」に挑戦するとは、いかにもアキ監督らしい。この作品は、そういう意味では失敗には終わっていないと思う。(04.04.16)
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鶴は翔んでゆく
LETJAT ZHURAVLI THE CRANES ARE FLYING [米]
監督:ミハイル・カラトーゾフ
出演:タチアナ・サモイロワ、アレクセイ・バターロフ 1957年 ソ連映画 96分 白黒 (レンタルビデオ)
★★★★
 感動的な映画でした。ソ連で始めてカンヌでパルムドール賞をとった作品らしい。日本で公開された時は「戦争と貞操」とかっていうわけのわかんない題名で公開されたそうだ。あらすじは第二次世界大戦、ポリスとベロニカは親も認める恋人同志。結婚の約束もしていて、夜明けまで逢瀬を重ねているような熱い仲であったが、戦争の始まりとともにポリスは国の為、仲間の為を想い、律儀にも兵士志願して出征してしまう。一人と取り残されたベロニカは日々、ポリスからの手紙を待っていたが、空襲で両親を失い、またポリスの従兄弟で音楽家であるため兵役を免除されれいるというマリクに犯されて結婚をする事になってしまう。一方ポリスの方はベロニカを思いつつも前線で戦死。それを知らずに結婚した身でありながら、なおもポリスの帰りを待つベロニカ・・・。やがて終戦が来てベロニカはポリスが戦死したことを知る・・・  画面が流動的に流れていくような美しさがあった。ポリスが戦死する時にベロニカの花嫁姿の幻を観るシーンも良かったです。そしてポリスから誕生日にベロニカに送られたリスの人形から手紙が出て来たり、またポリスという名前の迷い子をベロニカが拾い養う・・・といった細かいストーリー設定はさすがと思いました。  ラストが感動的。第二次世界大戦で勝った国はこういう雰囲気だったのですね(笑)。たとえ戦死者があっても多くの屍を超えてとても希望的、明るい展望を感じさせる国の雰囲気がよくあらわれていて、それは「鶴は翔んでゆく」という題名にもあらわれています。ので「戦争と貞操」というのはちょっと視点がずれてます。(笑)もっとソ連の昔の映画が観たいのですが〜〜、なかなか見つからないので残念です。(05.11.12)
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